住血吸虫症活動報告(week4)

2020年9月18日に住血吸虫症タームweek4を行い、長崎大学熱帯医学研究所寄生虫学分野教授・熱帯医学研究所副所長 濱野真二郎博士にご講演いただきましたので、ご報告いたします。

ご講演者 

長崎大学熱帯医学研究所寄生虫学分野教授・熱帯医学研究所副所長 濱野真二郎博士
演題 Surveillance and Confirmation of Elimination of Schistosomiasis in Japan

 濱野先生は、住血吸虫症、リーシュマニア症、アメーバ赤痢等NTDsの分野に関する医学研究者である。免疫学的診断技術の研究に加え、熱帯地域拠点における疫学調査、環境DNAの解析を手掛け、フィールド・ラボ双方向から病原体の解析を進められている。濱野先生の有する研究への幅広い経験および視点を学ぶことは、今後、研究分野に進む学生にとって貴重な機会になると考え、本講演を依頼した。

概要

 2020年9月18日に行われたWeek4専門家講演会では、研究分野に焦点を当てて理解を深めるため長崎大学熱帯医学研究所(寄生虫学分野)濱野真二郎教授にオンラインで講演を頂いた。住血吸虫症の疫学研究に関して、免疫学的診断手法の研究、および環境DNA解析技術を用いた疫学調査の実践について発表を頂いた。結果、当分野に関して、参加者が最新の研究内容に触れ、現状の課題を理解する場となった。

 住血吸虫症の制圧を目指すWHOの基本戦略において、MDA(集団投薬)実施後の非侵襲的で高感度なモニタリング手法の確立は重要な課題である。近年の研究では、単一抗原を用いたELISAによる抗体検出手法が、現行感染者を高感度で検出する手法は制圧前後のモニタリング・サーベイランスとしての活用が期待されている。また、環境水から感染生物の体液や排せつ物由来の環境DNAを検出する技術の確立は、隠れた感染の「ホットスポット」を検出する手法として注目されている。ご講演ではこれらの疫学的手法の確立に関して、講演者が実施されている最新の研究の取り組みとモニタリングデータについてご紹介を頂いた。

 本講演では、住血吸虫症に関して、最新の疫学研究に触れ、研究者の研究に対する理念やキャリアについても知る機会を得た。参加した学生にとっては、今後の自身のキャリアパスを考える上で有意義な機会になったと考える。

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