肝炎活動報告(week3&4)

2021年05月26日に肝炎ターム week3学生勉強会、2021年06月01日に肝炎タームweek4を行い、金沢大学先進予防医学研究センター 山下竜也先生にご講演いただきましたので、ご報告いたします。

学生勉強会概要

 Week 3&4では、前回の基礎研究の勉強に並び、ウイルス性肝炎の臨床的な側面について勉強を行った。「Globalなウイルス性肝炎の取り組みと日本の位置付け」という題で、B型、C型のウイルス性肝炎の臨床経過、治療、国内での対策、WHO協力センターでの肝炎対策について山下竜也先生をお招きし、ご自身の経験をもとにご講演いただいた。

 2021年5月26日(水)に行われたWeek 3の学生勉強会では、ウイルス性肝炎の臨床経過と診断、地理的特徴と疫学、予防と対策を取り上げた。week 1&2で学んだ五つのウイルスの性質のついて復習をしつつ、上記のことについて五種五様の知識を整理した。また、次週の講演会に向けてGlobalな肝炎対策を理解するための基礎知識を身につけた。

ご講演者

金沢大学先進予防医学研究センター准教授/金沢大学附属病院消化器内科/金沢大学WHO慢性肝炎肝癌協力センター 山下竜也先生

 2021年6月1日(火)に行われたWeek4講演会の演者である山下竜也先生は、金沢大学消化器内科で、臨床医としてウイルス性肝炎の日常診療に当たっておられるとともに、同大学WHO慢性肝炎協力センターの活動の一環としてWHO本部にて肝炎ガイドラインの策定にも携わっておられる。

ご講演概要

 ご講演では、B型肝炎及びC型肝炎の臨床・治療・日本の行政の取り組みなどについて最新の情報をお話しいただいた。B型肝炎では、臨床経過とHBVキャリアの推移、ワクチン、IFNと核酸アナログについてお話いただいた。C型肝炎に関しては、臨床経過と感染者で高齢者が多いことと、インターフェロンがかつては使われていたが今では経口薬が用いられていること、肝臓専門医が治療を考えていく仕組みになっていることを学んだ。また、感染者の拾い上げなどについて教えて頂き、日本の肝炎対策の実態も学ぶことができた。市町村・保健所・職域・妊婦の受検や、専門機関への紹介、電子カルテを活用した病院内での拾い上げ、手厚い費用のサポートがあることを知った。患者が高齢、無症状による治療の拒否が拾い上げの問題点とあった。さらに、WHOとは何か、WHO協力センターの役割と取り組みにはどのようなものがあるのかをご自身の経験を交えながらとお話しくださり、大変興味深い内容のご講演であった。

 ご講演の中で、特に日本における肝炎診療のお話は、これから国家試験を経て医師となる学生にとって重要なエッセンスが詰まった内容であった。また、WHOでの肝炎対策のお話は、「日々触れる情報をどう理解するか」を再考する必要性についての示唆に富んだものであり、これから国際保健の分野で活躍することを目指す学生達にとって大変貴重なものとなった。

 

 

 

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