概要
2014年、東京・代々木公園でデングウイルスが確認されたことは今でも記憶に新しく、東京五輪を前にした観光客の増加や地球温暖化による蚊の生息域の変化、途上国での都市化などの影響で、今後も日本へのデングウイルス感染症流入リスクは十分に考えられる。比較的新しい病気に思われがちなデングウイルス感染症だが、その歴史は古く、1780年代にインドネシアやエジプトにおいて流行の記録が残されている。また、日本の熱帯医学研究開始のきっかけとなった感染症であり、NTDs(顧みられない熱帯病)に含まれている感染症でもある。そこで、今タームではアジアやラテンアメリカで高い疾病負荷があるデング熱を取り上げ、学生勉強会や専門家の方々のご講演によりさらに理解を深めることを目的とした。
勉強会の到達目標
“生活環という概念を通し、感染症の制圧に向けてのアプローチ方法を「臨床」「基礎研究」「行政」の多角的な視点から学ぶことで、各分野への理解を深めると同時に、熱帯医学の全体像を俯瞰する”ことを第1タームの目標とし、具体的には以下の3つの到達目標を設定した。
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- 横の軸を理解する
勉強会に際し、感染症対策における、「基礎」・「臨床」・「行政」の果たす役割を、住血吸虫の生活環を通し有機的に理解する。 - 縦の軸を理解する
第一線で活躍される先生方の取り組みやキャリアの歩みを通し、基礎・臨床・行政の果たす役割をより深く理解し、将来の進路実現に役立てられるようにする。 - 軸をつなげる
一人一人が多角的な視野を持つと同時に、異なる領域の人材と協力しあえるマインドを形成する
- 横の軸を理解する
ご講演者様一覧
Vector Control and Climate Change分野講演者 東京大学医学部国際保健政策学教授 橋爪真弘博士
Vaccination and Travel-Related Diseases分野講演者 国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長 忽那賢志博士
Antibody-Dependent Enhancement分野講演者 長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学分野教授 Moi Meng Ling博士
勉強会日程一覧
2020/10/28 20:00~21:30 Vector Control and Climate Change分野学生勉強会 (week1活動報告はこちらから)2020/11/06 20:00~21:30 橋爪真弘博士講演会(week2活動報告はこちらから)
2020/11/17 20:00~21:30 Vaccination and Travel-Related Diseases分野学生勉強会(week3活動報告はこちらから)
2020/12/09 20:00~21:30 忽那賢志博士講演会(week4活動報告はこちらから)
2020/12/16 20:00~21:00 Antibody-Dependent Enhancement分野学生勉強会(week5活動報告はこちらから)
2020/12/21 19:30~21:00 Moi Meng Ling博士講演会(week6活動報告はこちらから)