HIV活動報告 (week5&6)

2021年02月09日にHIVターム week5学生勉強会、2021年02月19日にHIVタームweek6を行い、The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria 國井修先生にご講演いただきましたので、ご報告いたします。

学生勉強会概要

 HIVタームのWeek5&6は、IGO/GO,NGOの観点からHIV/AIDSに対する「Strategies」をテーマに学生勉強会と専門家講演を開催した。2021年2月9日の学生勉強会では、IGO/GO,NGOの組織体系や基本的な概念から、各組織のメリット/デメリット、そして具体的なHIV/AIDS対策に焦点を当てて学んだ。

 学生勉強会では、IGOやGOなど多国間や国としての枠組みとして、どのような目標を打ち立ててHIV/AIDの問題に取り組むのか、また、NGOとして草の根で活動することなどのように、各ステークホルダーの特徴や規模、目的とすることなどを具体的に例を示しながら、学生勉強会は進行した。また、最後に、専門家講演を引き受けてくださった國井先生の所属されるGlobal Fundについても、その特徴や活動について概説した。

ご講演者

The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria 國井修先生

 Global Fund 戦略・投資・効果局長の國井修先生にご講演頂いた。國井先生はこれまで民(AMDA副代表)、官(外務省課長補佐)、学(長崎大学教授)、国連(ユニセフ保険戦略上席アドバイザー)を通じてアジア・アフリカ・中南米等110カ国以上で人道支援、地域保健、母子保健、感染症対策の実践・研究・人材育成に従事されている。現在コロナ禍の中も、グローバルファンドにて最前線でエイズ・結核・マラリア撲滅に向けて奔走されている。

ご講演概要

 講演会では、ユニークなキャリア形成と膨大な現場経験を通じて、各組織の特色やご自身のグローバルファンドについて、そして国際保健を志す学生達に今伝えたいメッセージをお話頂いた。講演の内容は、J-Trops会員から事前に集めた質問から、「HIV/AIDS収束に向けた各組織の取り組み」「COVID-19が与えた影響」そして、「先生ご自身の生き方」という3つのテーマに分けてインタラクティブに語って頂いた。

HIV/AIDS収束に向けた各組織の取り組み

 第3タームのテーマであるHIV/AIDSに対して、IGOやNGO、そしてGlobal Fundなど各組織がどのようなStrategyを以って課題解決に取り組んでいるのかを先生の第一線での活動経験を共有していただいた。HIV/AIDS流行収束のためのステークホルダー間のパートナーシップを築き上げていくことの大切さとその難しさを國井先生のお話から改めて学ぶことができた。

COVID-19が与えた影響

 現在世界中で流行するCOVID-19はHIV/AIDS対策へと、そして、私達の日常へと影響を与えている。世界各国の状況を俯瞰して、今世界でどのようなことが起きているのか、HIV/AIDSの対策はどんな影響を受けたのかを示していただいた。さらに、COVID-19の流行を医療の危機として捉えるだけでなく、未来のグランドデザインを描く好機とも捉え直すこともできることも事例を交えてお話頂いた。

國井先生ご自身の生き方

 学生の質問の中でも、國井先生ご自身の生き方や考え方に関するものが多く、夢を追い続けた先生の生き方も気さくにお話しいただいた。学生勉強会で学んだ内容に加えて、さらに具体的な現場の状況をお示しいただき、将来これらの分野へ進むことを考えている学生達にとって大変貴重な機会となった。

 最後に、自分の意見をロジックを構築し、付加価値をつけてアウトプットすることの大切さをメッセージとして頂いた。ダイバーシティが叫ばれる現在、若者が自分の意見をしっかりアウトプットすることが求められているということは、複雑な課題や組織が交わる国際保健や熱帯医学の道へ踏み出そうとする私たちにとって、身の引き締まるメッセージであった。

 Week5.6「政策」では、IGO,NGO,政府の3つのレベルに分けて、HIV/AIDSの予防や治療、差別軽減にどのように取り組んでいるかを学び、講演会ではGlobal FundのHIVに対する取り組みやCOVID-19のHIV対策への影響、自分たち自身のキャリアについて考える機会をいただいた。

 

 

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