肝炎活動報告(week1&2)

2021年05月14日に肝炎ターム week1学生勉強会、2021年05月20日に肝炎タームweek2を行い、大阪大学感染症総合研究教育拠点拠点長 松浦義治先生にご講演いただきましたので、ご報告いたします。

学生勉強会概要

 基礎研究グループでは、急性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌といった様々な形で発症する肝炎ウイルス感染症について、疾病に関与する肝炎ウイルスの特徴を学ぶことを目的として勉強会を行った。「肝炎ウイルスとウイルスベクター」と題して日本のウイルス学研究を牽引されてきた大阪大学微生物病研究所の松浦善治先生をお招きし、ウイルス横断的な講義をしていただいた。

 2021年5月14日(金)に行われたWeek1の学生勉強会では、肝炎ウイルスの生活環、分子レベルの感染機序、過去から現在までの治療薬に加え、2020年のノーベル医学・生理学賞を受賞したC型肝炎発見の概要について学んだ。5種の肝炎ウイルスは”◯型肝炎ウイルス”と箇条書きされるように名前を付けられているが、それぞれにはそれぞれの分子機構があり、感染様式があり、標的とするレセプターがあるため、実際は1つ1つが異なるウイルスであること。ウイルスや臨床状態によって治療戦略が異なること。C型肝炎ウイルス発見までの道のりから研究者たちの輸血後肝炎の原因究明に対する思い。それらを学んだ90分となった。

ご講演者

大阪大学感染症総合研究拠点拠点長/大阪大学微生物研究所特任教授 松浦善治先生

 2021年5月20日(木)に行われたWeek2講演会の演者である松浦善治先生は、2020年にノーベル医学生理学賞を受賞したC型肝炎発見に関する研究に携わられ、現在もウイルス研究の第一線で活躍されている方である。

ご講演概要

 ご講演では、バキュロウイルスを用いた研究、C型肝炎ウイルスについての研究、さらにはCOVID-19の研究についてまでお話しいただいた。バキュロウイルスについてのお話では、バキュロウイルスをベクターとして用い、導入する遺伝子の選択によっては遺伝子治療に用いることができるという、ウイルスを有効に活用する方法論の解説を伺った。C型肝炎ウイルスについてのお話では、マイクロRNAを用いた治療法およびそれに到達するまでの過程を学ぶことが出来た。COVID-19についてのお話ではその感染様式などの基礎的な内容からウイルスの変異株について、ワクチン摂取後の予防効果など、最新の情報についてまで説明いただき、新たな学びとなった。

 ウイルスについて幅広い内容を丁寧に解説いただき大変勉強になったことはもちろんであるが、質問に対しても非常に丁寧に対応をしてくださった先生のお人柄もまた大変印象的であった。今回のご講演では肝炎ウイルスに対する知識を深めることに加え、将来熱帯医学の研究を志す学生にとっては特に刺激を受ける内容であった。

 

 

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