第63回日本熱帯医学会大会・第26回日本渡航医学会学術集会 活動報告

概要

第63回日本熱帯医学会大会・第26回日本渡航医学会学術集会において、J-Tropsは以下三つの企画に参加した。
➀ハンセン病の社会的課題とその解決に向けて~インドの事例から~
➁本邦における狂犬病の歴史をまとめる企画(一般演題登壇、HP作成、ポスター展示など)
➂第9回熱帯医学男女共同参画シンポジウム 諦めない!子育てしながら海外赴任~若い世代へのエール~

①ハンセン病の社会的課題とその解決に向けて~インドの事例から~

10月9日(日)第63回日本熱帯医学会大会・第26回日本渡航医学会学術集会において、J-Tropsの学生によるワークショップを開催した。

今年度は「ハンセン病の社会的課題とその解決にむけて 〜インドの事例から〜」をテーマとした。ワークショップは3部構成であり、第1部ではJ-Tropsの学生によるハンセン病についての発表、第2部では公益財団法人 笹川保健財団の南里隆宏常務理事のご講演、第3部ではインド回復者団体APALのMaya Ranavare会長のご講演を行なった。なお、Ranavare先生にはインドからリモートで参加していただき、会場からの質問に答えていただいた。各発表・講演の内容は以下の通りである。

第1部 J-Tropsの学生による発表
ハンセン病の「症状」「発症機序」「診断・治療」「日本における歴史」について発表を行なった。

第2部 公益財団法人 笹川保健財団の南里隆宏常務理事のご講演
世界におけるハンセン病対策の比較を交えながら、医療面(コ ントロール・制圧)と社会面(差別・スティグマの撤廃)の双方から、インドを始めとする関係国の事例を交えて、現状と課題について解説していただいた。

第3部 インド回復者団体APALのMaya Ranavare会長のご講演
ハンセン病回復者としての体験とインドのハンセン病医療サービスの問題点について、そして、APALの会長として、APALの設立の背景と、現在までの主な活動実績、将来への抱負についてお話いただいた。

②本邦における狂犬病の歴史をまとめる企画(一般演題登壇、HP作成、ポスター展示など)

今大会は狂犬病を専門とする大分大学医学部微生物学講座の西園晃先生が大会長であったこともあり、日本における狂犬病の歴史をまとめる企画を実施した。この企画の主催は我々J-Tropsと大分大学医学部微生物学講座であり、アドバイザリーボードの先生方にも協力いただきながら実施した。具体的な内容としては「野犬及び飼い犬対策」、「政策の歴史」、「ワクチン開発」、「狂犬病診断の歴史」、「統計情報」の5つの柱に分けて、J-Tropsの学生だけでなくJAVSを通じて応募してくれた獣医学生が協力して実施した。最終的には医学生8名と獣医学部学生5名が参加して行った。皆が協力してまとめた資料をもとに、狂犬病の歴史をまとめたポスターを学会会場にて展示したりホームページを作成したりするなど工夫して実施した。

これからは英訳ページや分かりやすいツールを作成したり、ホームページの見やすさを向上させたりすることを行う予定である。2023年春までの完成を目指して、実施していく。完成後は、広報活動にも力を入れて行っていきたい。

③第9回熱帯医学男女共同参画シンポジウム 諦めない!子育てしながら海外赴任~若い世代へのエール~

第63回日本熱帯医学会大会・第26回日本渡航医学会学術集会にて行われた、第9回熱帯医学男女共同参画シンポジウムに、J-Tropsが共催という形で参加させていただいた。
本シンポジウムは「諦めない!子育てしながら海外赴任~若い世代へのエール~」をテーマとして、座長の金子修先生(長崎大学 熱帯医学研究所)、齊藤(小畑)麻理子先生(東北大学大学院医学系研究科)のもと、子育て経験のある医療者、研究者のシンポジストの先生方にお話しいただいた。J-Tropsからは井戸、髙木が学生パネリストとして参加させていただいた。本企画は、日本医師会女性医師支援センター様の協賛をいただいている。

ここからは、簡単ではあるがシンポジストの先生方のお話について報告する。

空野すみれ先生(長崎大学大学院グローバルヘルス研究科)は国境なき医師団として南スーダン、ナイジェリア、コートジボワールに赴任後、世界保健機関西太平洋事務局にてボランティアとしてご活躍し、現在長崎大学・ロンドン衛生熱帯大学院の博士課程にいらっしゃる。「すきなこと」と「意義のあること」を「自分の強みが生かせる場所」で取り組んでいきたいと今後のキャリアパスに関して展望を語られていたのが印象的だった。

日達真美先生(長崎大学熱帯医学研究所)は保健師・看護師のバックグラウンドをお持ちで、国連世界食糧計画 栄養ユニット 国連ボランティアとしてのご経験をお話しくださった。ご主人が専業主夫として一家を支えてくださっていると伺い、お互いのキャリア設計を尊重しあえるパートナーと人生を共に生きていくことの大切さを痛感した。

金子聰先生(長崎大学熱帯医学研究所)はグアテマラ、ケニアへの赴任中、現地で子育てをなさった経験をお持ちで、現在お子様は日本国内で活躍されている。お子様が成人されていることも踏まえたお話をしていただいた。

齊藤信夫先生(大分大学医学部)は、長崎大学職員としてフィリピンで活躍された後、現在はJICAの専門家として活動されている。お子様が成長し、経済的な負担が増えた場合でもポジションによってはご家族と一緒に海外で活動することが可能だということをお話しいただいた。

性別を問わず海外での活躍を目指す学生へのメッセージ性の強い企画を主催していただいたこと、また、共催という形で貴重な企画に参加させていただいたことで、学生一同、将来的に海外で活躍したいという思いを強くした。

 

 

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