2020年11月17日にデングウイルス感染症week3の学生勉強会を行いましたので、ご報告いたします。
演題
ワクチンについて
近年の輸入感染症発生動向について・輸入感染症の診療
概要
本発表では、デング熱ウイルスが輸入感染症であることやワクチンに関する研究が進んでいることなどを踏まえ、輸入感染症とワクチンに関する比較的一般的な知識を獲得し、次週の講演に備えることを目的として、ワクチンの基礎となる免疫学やワクチンの運用の実際、輸入感染症臨床の基礎知識などを学んだ。
前半はワクチンを取り上げた。人間の免疫(自然免疫と獲得免疫)やワクチンの歴史と内容物について詳しく学び、それらに基き、主なワクチンである不活化ワクチンと生ワクチンのメリット、デメリットをそれぞれ紹介した。不活化ワクチンについては、スプリットワクチンやVLP、インフルエンザワクチンの製造フローなどに触れた。また、オーストラリアと日本のHPV対策をもとに、ワクチンギャップについて学んだ。後半では、輸入感染症に焦点を当てた。COVID-19と輸入感染症対策との関連性に触れた上で、輸入感染症診療の特殊性を説明した。さらに、輸入感染症診療の詳細に踏み込み、症状の非特異性や、鑑別する上での問診の重要性を確認した上で、具体的な渡航歴の聴取法を学んだ。
デング熱ウイルスにまつわるトピックに注目し、時事的な話題も絡めながら、ワクチンや輸入感染症に関する基礎知識を身に着け、さらには最近の臨床・研究の状況にも触れることのできる、充実した勉強会となった。